二重派遣をやっていた(いる)会社に所属しておりました

皆さんこんにちは。
私は新卒でとある技術派遣の会社に入社後、退職するまで1年7ヶ月間所属しておりました。


1年7ヶ月の所属期間中、私は合計3社に派遣をされた経験がありますが、そのうち1つの派遣先が
二重派遣であったという実態について書いていこうかと思います。

因みに二重派遣とは何かといいますと、
下図のように 派遣元であるA社からB社に人間を派遣させて、そこから更にC社に派遣させるようなことをいいます。

二重派遣






結論を述べますと、このような二重派遣は立派な犯罪です。

故意に違反した場合、 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が、派遣元、派遣先両方に科せられるようになっています。
(職業安定法第64第9号)

このように二重派遣は立派な犯罪なのですが、派遣業界は法律があるようでないような
無法地帯ですので、どこの会社も平然にやっているのだろうと思います。


実際に私も二重派遣で働かされていたという事実を退職後に改めて気づいたので、そのことについて書いていきたいと思います。

※文章で読むのが面倒だ!という方はこちらをご覧ください。  
動画で同様の内容を話しております。



実際に二重派遣をされた話

私はまさに先程示した図のように、二重派遣をされておりました。
文章で書く前に、私の二重派遣の全体図を示しておくとこんな感じになります。
二重派遣 全体図











私の派遣元はA社です。

私の場合、正社員型の派遣(常用型派遣・無期雇用派遣・特定派遣ともいう)でしたので、
派遣会社であるA社の正社員(一応)でした。

そこからB社に派遣されましたが、
実際に仕事をするのはB社ではなくC社だったのです。

派遣先へ行く前、実際に顔合わせをしたのはB社の人間です。
そのため、派遣先に行く前はB社の業務を行うのだろうな、と考えていました。

しかし、実際に行けば違いました。 C社に行く前に、B社の事務所で1週間程研修を受けたのですが、そこで初めてC社の名前が出たのです。

そして、1週間後にC社の業務に就いた訳ですが、
ややこしいことにC社は客先の工場であるD社に常駐していたのです。

C社は客先であるD社の工場に、C社の装置を納品していました。
その為、C社はD社の工場に常駐して装置の保守業務を行っており、僕もその業務に携わることになったのです。

B社経由でC社へ派遣される人間が大勢いた

上記の通り、実際の業務内容はC社の業務内容です。
その為、B社はただの中間業者のような会社です。

そしてこのB社ですが、
僕のようにA社というそれぞれ異なる派遣元があって、そこからB社経由でC社の業務に就く人が大勢いました。

また、B社の社員がC社の業務を行うということもありました。

更に、B社は月1回、C社へ派遣させている人間を集めて定例会をB社の事務所で開催しておりました。
まあ内容としてはC社からの連絡事項を共有するというような内容です。

また、出退勤の連絡をメールで行っていたのですが、それもB社の人間に報告をするというシステムでした。

その為、私の勤怠の有無はB社から派遣元であるA社に連絡が行われるのです。

因みに派遣料の関係は、派遣元であるA社はB社から受け取る。
中間業者であるB社はC社から受け取るという関係性でした。


一番気になったのは派遣元であるA社の営業が
「B社とは最初請負での契約だったけど、段々と派遣になっていったんだよね」 ということを言っておりましたが、それって立派な偽装請負ではないのでしょうか...
二重派遣 全体図











派遣だらけのC社

このようにそれぞれ異なるÅ社という派遣元からB社経由でC社へ。
そしてB社の社員もC社へ、という感じで、人が入り乱れていてとにかくややこしい。

その為、派遣されている間はB社の人間とも関わりますし、C社の人間とも関わる。
とにかく複雑だったことに変わりはありません。

更には、C社も独自で複数の派遣会社と契約を結んでおり、その複数の派遣会社からも大勢人が来るという状況でしたので、とにかく派遣の人間が大勢いる状況でした。

前述したように、C社はD社の工場に常駐して装置の保守業務にあたっていた為、D社にはC社の簡易事務所が開設されていたのですが、そこはとにかく人がひしめきあっているという状況でした。

というよりC社は多くの派遣の人間を入れている為、
C社の社員よりも派遣の人間の方が圧倒的に多いのです。

その為、
C社の少ない社員の人間が、大勢の派遣を管理しているという状況でしたので、社員の方は非常に激務でした。

また、その少ない社員の人間が不在の時は、派遣の人間が社員のリーダー業務を代理をするということも私は経験しました。
社員が少ないので、代わりの社員を連れてくることができないからです。

そして、私も含めてそうですが、派遣の人間は一生C社で業務をするわけではないのです。 数年単位で人の入れ替わりが発生します。

するとどうなるかといえば、派遣であっても仕事を覚えた人間がいなくなるのです。
そして、何も仕事を知らない新人が入ってくるわけですから、その派遣の人間を社員の人間が教えなくてはいけない、というスパイラルに陥るのです。

派遣だらけの会社はろくでもない

私は辞めてから改めて思ったのですが、
社員の数よりも派遣の人間が多い会社というのはろくでもない会社だと思います。

というのは社員の負担が増えるというデメリットが発生するからです。

日々入れ替わる派遣の新人を教えなくてはならないですし、せっかく教えても一定の期間で辞めていきますから、また新人が入れば教えての繰り返し。

社員からしたら負担が増えるばかりなのです。


というか、何故その会社が外部から労働力を購入するかということを考えればいいのです。

答えは簡単です。
挙げられる答えとして、必要な時だけ人を補充できる使い捨てが欲しいとの思惑もありますが、そこの会社の離職率が高い、定着率が低いからこそ、外部から労働力を購入するというのも理由の1つです。

実際にC社も人の入れ替わりが激しかったので、まさにそうなのだろうなと思います。
というのもC社の環境も正直いいとは言えませんでした。

・新人をバカにしたような態度や高圧的な態度で教える
 →「そんなことも知らないのか」という知ってて当たり前という態度を取る  
  「一回で覚えろ」「見て覚えろ」などのアホな指導をする人がいる


・専門用語だらけの手順書なので、新人は到底理解できない

・嫌なら辞めろという雰囲気  
 →なのにカウンセリングを強制的に行って、一応辞めさせないようにしましたという実績       
  を作る

・実力主義なのでギスギスしている  
 →誰かがミスをすれば、その人が新人であろうと晒し上げて笑いものにしている
  又は罵声を浴びせる


挙げていけばこのような感じで、離職率が高く定着率が悪いというのも納得がいきますし、
外部から大量に派遣の人間を入れているというのにも納得がいきます。

派遣業界とは関わらない方がいい

1年7ヶ月間派遣業界にいた人間から最後に結論を申し上げますと、
派遣業界とは関わらない方がいいと思います。

派遣社員として働かないことはもちろんのこと、営業や事務などのポジションでも働くべきではない。

ここで書いた通り、二重派遣という犯罪行為を平然と行う会社はどこにでもあるのだろうと思います。

他にも派遣先担当者との面接は禁止であるはずなのに、面談や顔合わせといったことで誤魔化すようなことをしたりと、とにかく派遣業界は犯罪集団の巣窟であることに違いはありません。

自分の会社が二重派遣をやっている件は、一応退職後労働局にメールで通報しましたが、
恐らく意味がないと思います。


特に近年、派遣業界は採用活動の際に派遣であることを隠したり、甘い言葉などで新卒採用を行っておりますので、 特に就活中の学生の皆様は、特に気をつけていただきたいと思います。

※就活生を騙す、悪質な近年の派遣業界について


文章ではこちらから